観光・語学留学の場として人気のフィジーと日本の知られざるつながりとは?
近年、多くの方が観光(フィジーの海が綺麗かつリゾート地として有名)及び留学(格安で留学することができ、日本同様治安の良い国として有名)を目的にフィジーを訪れています。また、フィジーからも日本を訪れる方がいるなど日本と強いつながりを持っています。
フィジーと日本は社会・経済の両面でお互いに良い影響を与え、両国の発展へとつながっています。2020年には、外交関係樹立50周年を迎え、今後より一層強いつながりを持ち続ける国同士であると言えます。
そこで、今回は日本とフィジーが外交面、経済の面などにおいてどのような関係があるのか、なぜフィジーが日本人の間で人気があるのかについて紹介したいと思います。
目次
日本とフィジーの歴史
〜フィジー独立
フィジーがイギリスによって植民地化されていた時の日本とフィジーのつながりは深くなく、日本人とフィジー人の積極的な交流の記録は残っていません。戦時中日本とフィジーは、他国の植民地を奪い合う関係ではありませんでしたが、太平洋戦争の時はアメリカとニュージーランド指揮の下、ソロモン諸島やニューギニア島でフィジー人からなる部隊(フィジー軍)を結成し、日本軍と戦いました。
国交樹立〜現在まで
戦争が終わり、フィジーのイギリスからの独立(1970年)と同時に日本とフィジーは、国交を樹立しました。1979年には日本大使館をスヴァに開設し、1981年に在京フィジー大使館を開設しました。国交樹立から50年が経った現在も日本とフィジーは良好な関係を維持することができ、両国の要人往来も活発に行われています。
後にも詳しく述べますが、日本とフィジー間の関係が良好な証として毎年多くの日本人がフィジーに訪れていることが挙げられます。毎年多くの日本人がフィジーを訪れる目的は主に観光と語学留学です。
観光地としてのフィジー
フィジーは綺麗な海で囲まれている島国であり、リゾート地として有名です。夏休みや冬休みを利用してフィジーに訪れる日本人が多く、フィジーにある観光スポットを巡ったり、海のアクティビティを楽しむ観光客が目立ちます。物価も他国と比べて比較的安く、国民もフレンドリーな人が多いので、短期・長期問わず過ごしやすい国とされています。
語学留学先としてのフィジー
フィジーは、安く楽しく留学をすることができる場所として有名です。<観光地としてのフィジー>でも述べましたが、フィジーの物価が安く、生活費や滞在費も抑えられることから長期の語学留学をされる方が多くいます。
また、海外で生活する上での不安要素である治安も良いとされ、安心して語学の向上を図ることができます。
日本とフィジーの貿易・経済関係
日本とフィジーの貿易
日本からフィジーへの輸出 83億4969万8000円
フィジーから日本への輸出 46億1462万8000円
日本は、フィジーの主要貿易相手国であり、輸出と輸入の両面で日本と大きく関わっています。日本からは主に自動車や機械類がフィジーに輸出され、フィジーからは木材や水産物(まぐろ類)が日本に輸出されています。
日本とフィジーの経済関係
26社
フィジーにおける日系企業数は、平成29年には23社であったのに対し、平成30年には26社にまで増え、年々増えています。フィジーに注目している企業も多く、今後も増え続ける可能性があります。
日本人とフィジー人の交流
フィジーで中・長期滞在している日本人の数
480名(2019年10月時点)
日本にいるフィジー人の数
287名(2019年12月時点)
フィジーから日本への留学者数
10名(2019年12月時点)
日本からフィジーへの留学者数
累計2万名以上(2004年〜2020年)
年間 1500名〜2000名
日本からフィジーへの観光客数
日本政府観光局 月別・年別統計データ(訪日外国人・出国日本人)より
1万1903名(2018年)
2017年における日本からフィジーへの観光客数は6、350名であり、年々増えてきています。
2018年に日本・フィジー間の直行便の運航が再開したことから、よりフィジーが身近な存在となり、観光地として有名なフィジーに足を運ぶ日本人が増えました。
文化交流
2019年にはラグビーワールドカップで来日したフィジー代表が事前合宿を行った秋田市でフィジー共和国文化交流フェスタが開かれ、フィジー人と日本人がお互いに異なる食文化や伝統文化に触れる機会が設けられました。(秋田市公式サイトより)
2020年以降も日本とフィジーの国交樹立50周年に合わせて様々な交流事業の企画・実施が検討され、両国間の関係が発展していくことになりそうです。
日本人がフィジーを訪れた際、フィジー人はフレンドリーな姿勢で積極的に話しかけてくれるのですぐにフィジー人と打ち解けることができます。街中にある公園や学校では、フィジー人に混じってラグビーなどのスポーツを楽しむ日本人も多くおり、日本人とフィジー人は良好な関係を築くことができています。
詳しくはこちらの記事で紹介しています!
日本からのフィジーへの経済協力
近年、フィジーは順調に経済成長を遂げており、経済成長率は3〜4%を維持しています。
フィジー経済の安定の背景には、日本の存在があります。日本は、発展途上国であるフィジーに対して長年にわたって政府開発援助(ODA)を活用したインフラ整備などの開発援助を続けてきました。
日本のフィジーに対する経済協力は両国の関係強化に大きく貢献しています。
援助実績
国の土台となるインフラ整備の資金として貸し出され、後に返済義務(低金利・長期返済)が生じるもの
自律的に利用できる施設の整備資金として供与され、後に返済義務が生じないもの
社会や経済の発展の担い手となる人材育成をするために、日本の技術、技能、知識を伝えるというもの
主要ドナーの対フィジー経済協力実績(2016年)において日本は、オーストラリアとニュージーランドに次ぐ第3位となっており、フィジーの経済成長を支えています。ODAを活用した援助以外にも青年海外協力隊やシニア海外ボランティアをフィジーに派遣しており、インフラの整備、教育、保健などの幅広い分野において事業を展開しています。
まとめ
フィジーと日本は、外交面や経済面において、重要なパートナーです。
両国の発展に欠かせないパートナーとして今後も良好な関係が維持されることが期待されています。
今後も継続的に多くの日本人がフィジーを訪れ、またフィジーからも多くの人々が日本を訪れる機会が多くなります。
今まで以上にフィジー人と日本人の交流の場が生まれ、お互いの文化や言語に触れることになります。 日本とフィジーの関係が良好であり、深いつながりがあると知った今、世界一幸せな国フィジーを訪れてみませんか。