フィジーのごはんは衛生的?発展途上国の食文化比較
太平洋に浮かぶ南国フィジーは、世界幸福度ランキング第1位の国としても知られています。そんなフィジーですが、実は発展途上国の1つでもあり、まだまだ経済的には成長途中。
そこで今回は、同じく発展途上国であり、私が以前約1ヶ月間滞在していたインドネシアと比較して、フィジーとインドネシアの食文化の違いについてまとめます。
いつもならばフィジーのみに焦点を当てフィジーに関する情報をご紹介していますが、今回はインドネシアにも焦点を当て、客観的な視点からフィジーの魅力を伝えたいと思います!
これからフィジーでの留学を考えている方はもちろん、既にフィジーから帰国したという方も、改めてフィジーの食文化の特徴を客観的に評価してみてください!
目次
フィジーとインドネシアの基本情報
食文化の具体的な比較に入る前に、フィジーとインドネシアの基本情報を確認していきましょう。
「世界の統計2020: 世界地図」より加工して作成)
<フィジー> まず、フィジー(正式名:フィジー共和国)は南半球のオセアニア地域にある島国です。
300以上の島からなる国土面積は18,270平方キロメートルで、日本の四国とほぼ同じ大きさです。人口は約89万人。日本から首都ナンディまでは直行便で片道約9時間かかり、時差は+3時間です。
<インドネシア> 対して、インドネシア(正式名:インドネシア共和国)は東南アジア南部に位置し、アジアで唯一赤道が通る国としても知られています。17,000あまりもの島々からなる国土面積は192万平方キロメートルにも及び、日本の約5倍の大きさです。人口は世界第4位の約2.55億人。日本から首都ジャカルタまでは直行便で片道約7時間かかり、時差は-2時間です。 どちらの国も南国のイメージが強いですが、島の数・人口ともにインドネシアの方が圧倒的に多いです。
比較①:フィジーとインドネシアの主食
フィジーの主食
フィジーの主食はキャッサバやタロなどの芋類で、主に茹でたりふかしたりして、家でもレストランでもよく食べられています。
(右上の白っぽいものがキャッサバ。)
ちなみに、昔のフィジーでは1番の主食といえばヤムイモでしたが、現在ではキャッサバがフィジーで最も食べられている主食です。年間約6万6000トン以上ものキャッサバが生産されています。
芋類の他にも、ごはんやパン、麺などもフィジーで食べられています。特に、パンの中でも「ロティ」というトルティーヤのような薄いパンが定番で、主にインド系の家庭やお店などで食べられています。
(右の薄いナンのようなものがロティ。)
インドネシアの主食
対して、インドネシアの主食はお米です。インドネシアでは、日本と同じように炊いたごはんが1番の主食です。
(インドネシアで食べたお弁当。)
インドネシアの人はごはんが本当に大好きで、「コメを食わなきゃ満腹にならん!」ということわざがあるくらいだそう。ミー・ゴレン(インドネシアの焼きそば)をおかずにごはんを食べます。そんなインドネシアのお米の生産量は、中国、インドに次ぐ世界第3位!!また、インドネシアのマクドナルドでは「ごはん」というメニューがあり、注文すると上の写真くらいの大きさのごはんがハンバーガーを包む紙で包まれて出てきます。(このメニューをきっかけにインドネシアでもマックが人気になったとか…?)
ちなみに、東南アジアのお米というと、日本米よりも細長くてパサパサしているイメージがあるかもしれませんが、実際に食べてみると思ったよりもしっとりしていました。見た目は少し違いますが食感や味は日本とそんなに変わらない印象です。
インドネシアでは、お米以外にも小麦を使ったパンや麺なども食べられています。ちなみに、フィジーでは先ほど紹介した薄いナンのようなパンのことを「ロティ」と呼びますが、インドネシアではパン全般を「ロティ」と呼びます。
比較②:フィジーとインドネシアのおかず
続いて比較するのはフィジーとインドネシアのおかずです。
フィジーのおかず
対して、インドネシアではおかずのほとんどが揚げ物で、「ゴレン(インドネシア語で「揚げる」という意味)」という言葉がつく食べ物がいくつもあります。例えば、ナシ(お米)ゴレン、ミー(麺)ゴレン、アヤム(鶏肉)ゴレン、イカン(魚)ゴレン、タフ(豆腐)ゴレン...などなど、毎日3食ゴレンです笑。なぜこんなにも揚げ物が多いのかというと、インドネシアではあまり衛生環境が良くないため、油で揚げるのが1番安全な食べ方なんだそう。
そんなインドネシアの揚げ物の中でも私が1番好きなのは「テンペ・ゴレン」です。テンペとは、インドネシアの伝統的な発酵食品で発酵させた大豆を固めて作ったもので、それを揚げたのがテンペ・ゴレンです。味はなんとも表現しづらいのですが、臭くない納豆のような味で、食感は天ぷらに似ています。
(左の茶色っぽいのがテンペ・ゴレン。右の黄色っぽいのはタフ・ゴレン。出典)
また、インドネシアでは辛い食べ物が多くクセが強めなので好みが分かれます。しかも、辛くない食べ物にも「サンバル」という唐辛子のソースが高確率でついてきます(上の写真にもありますね!)。サンバルの味はお店や家庭によって様々ですが、辛いところでは涙が出るほど辛いというか痛いです。私は辛いものやエスニック料理が好きなので、インドネシア料理は美味しいと感じたのですが、苦手な人にはキツイそうです。
揚げ物の他にも、「サテ」というインドネシア版の焼き鳥も有名です。サテは家庭やレストラン、屋台など様々な場所で食べられます。日本の焼き鳥と比べると少し小ぶりですが、10本程度が1セットで売られている場合が多く、結構満足できます。また、ピーナツでできた甘じょっぱいソースをたっぷりとつけるのがインドネシア流で、鶏肉以外にもウサギ肉、ヤギ肉などのサテもあります。
(移動式屋台で鶏肉とウサギ肉のサテを焼く様子。)
ちなみに、現在はあまり無くなってきてはいるのですが、インドネシアの伝統的なスタイルのレストランではバナナの葉や竹の籠を食器がわりにして床に座り、手で食べます。
(右下のバナナの葉をお皿代わりに手でいただきます。)
実際にバナナの葉を使って食べてみると、葉が薄いのでごはんの熱さが直に伝わってきます(あっつい笑)。また、食べるときの注意なのですが、インドネシアではイスラム教徒が約9割を占める世界で1番ムスリムが多い国なので、ムスリムでなくてもマナーとして食事の際に左手(=不浄の手)を使ってはいけません。加えて、イスラム教では豚肉を食べることは禁止されているので、ほとんど見かけません。
まとめ
以上、今回はフィジーとインドネシアそれぞれの主食とおかずについてご紹介しました。以下はそれらのまとめです。
フィジーとインドネシアを比較すると、どちらも南国のため、バナナの葉を使ったり魚を食べたりという部分は似ていますが、それぞれの主食や味の特徴、衛生環境についてはかなりの差がみられました。 このように、食に関してフィジーと他の発展途上国を比べることで、実はフィジーは途上国の中ではとても衛生的な国であることが分かったのではないでしょうか。 1度フィジーを訪れた際には、ぜひ、その食文化を体感してみてください!(インドネシアもぜひ〜😊) 次回はフィジーとインドネシアの「おやつ文化」について比較します!お楽しみに〜!! 参考 「【コラム】インドネシアの最新コメ事情」