実は似ている?フィジーとインドネシアのおやつを比較してわかること

フィジー基本情報
文化

 オセアニア地域南太平洋に位置するフィジー。そんなフィジーは世界一幸福な国としても知られていますが、実は発展途上国の1つでもあります。
 そこで、前回に引き続き今回も、同じく途上国であるインドネシアに渡航経験のある私が、フィジーとインドネシアの「おやつ文化」を比較し、客観的な視点からフィジーのおやつについて書こうと思います。

フィジーとインドネシアの基本情報

 

 …と、その前に! フィジーとインドネシアの基本情報を少しおさらいします。

「世界の統計2020: 世界地図」より加工して作成)  まず、フィジーはオセアニア地域に位置し、国土面積は日本の四国と同じくらいという小さな島国なのに対し、インドネシアは東南アジアに位置し日本の約5倍もの面積を誇る国です。どちらも発展途上国ではありますが、日本から直行便で行くことができます。

 また、前回の記事で、2つの国のごはんについて比較した際には、フィジーとインドネシアでは主食や味の特徴に違いがあるということがわかりましたが、おやつではどのような違いまたは似た部分はあるのでしょうか?さっそく、2つの国のおやつ文化を比べてみましょう!

比較①:フィジーとインドネシアの甘い系おやつ

 まず初めに、2つの国の甘〜いおやつを比較してみましょう。

フィジーの甘い系おやつ

 まず、フィジーのおやつには甘いお菓子が多いです。

 初めにご紹介するのは、「バカロロ」というもちもちとした食感が特徴のフィジーの伝統的なお菓子です。

画像:バカロロ)

 バカロロはフィジーの主食であるキャッサバ芋を主原料としたお菓子で、バナナの葉に包んでから茹でるまたは蒸して調理するキャッサバケーキです。

 また、キャッサバ以外に、フィジーではココナッツとバナナが1年中食べられるため、その2つを使ったお菓子が多いです。例えば、フィジー系のお菓子ではバナナのぜんざい「ブンディ・バカソソ」やココナッツミルクを使ったフィジーのプディング「プリニ」、インド系のお菓子ではバナナを生地に練り込んだミニドーナツ「ガルグラ」などが挙げられます。

画像:ブンディ・バカソソ)

 その他、フィジーでは「カスタードパイ」というその名の通りパイの上にカスタードクリームの乗ったお菓子が有名で、至るところで販売していますが、甘さが特徴で、日本人にはちょっと甘すぎるかもしれません。

画像:カスタードパイ) 

インドネシアの甘い系おやつ

 対して、インドネシアでも甘いお菓子が多いのですが、インドネシアでは主食であるお米を使ったお菓子が多いのが特徴です。

 その中でも1番衝撃的だったのが、「ルンプル・アヤム」というお菓子です。

画像:ルンプル・アヤム)

 見た目は、ツナマヨおにぎりのようですが、ルンプル・アヤムはココナッツミルクで味をつけたもち米の中に甘く煮た鶏肉とココナッツファインを入れた甘いお菓子です。最初に食べたときは、鶏肉が甘いことに衝撃を受けましたが、ココナッツファインのシャキシャキとした食感と鶏肉が案外マッチするのと、甘いもち米がおはぎに似たような感じで、食べているうちにだんだんハマってきます。「ワルン」と呼ばれるイートイン形式のお店などで購入できるので、インドネシアを訪れた際には是非お試しを!

 ルンプル・アヤムの他に、「チュチュル」というお菓子もお米を使った甘いお菓子の1つです。

画像:チュチュル)

 チュチュルは米粉と小麦粉、砂糖を混ぜた生地を油で揚げるだけで簡単に作れるお菓子です。米粉を使用しているため、食感はもちもちとお餅のようなのですが、結構甘いです。

 ちなみに、この写真にもあるように、インドネシアには鮮やかな緑色のお菓子がとても多いのも特徴です。鮮やかすぎて、人工的な着色料なのかと思いきや、「パンダン」という植物の葉から抽出されるエキスで着色しているため、こう見えて自然由来の色なのです。

 お米の他に多いのはフィジーと同じようにキャッサバを使ったお菓子です。中でも「レメット・シンコン」という甘いお菓子はフィジーのバカロロと見た目も作り方も全く同じです!

画像:レメット・シンコン)

 そのほか、「ピサン・ゴレン」というお菓子が定番です。(前回の記事を読んでくださった方なら「ゴレン」の意味はもうお分かりですね?)インドネシア語で「ピサン」はバナナ、「ゴレン」は揚げるという意味なので「ピサン・ゴレン」とは揚げバナナのことです。フィジーと同じように、インドネシアでもバナナがよく食べられていて、たまに家の庭にも生えています。

画像:ピサン・ゴレン)

 ピサン・ゴレンには上の画像のような天ぷら型と下の画像のように薄く切って素揚げしたチップス型の2種類あります。どちらもバナナの自然な甘さがありとても美味しいのですが、私のおすすめは天ぷら型です。バナナに火を通しているのにもかかわらず、あまりネチョネチョせず、外はカリッと、中はホクホクで何個でも食べられちゃいます!

画像:ピサン・ゴレン チップス)

 チップス型の方はコンビニやスーパーなどでも売っていてお土産におすすめです。ちなみに、チップス型のピサン・ゴレンには素揚げの他にスパイス入りの衣を薄くつけてから揚げるしょっぱい系のものもあり、こちらもクセになる美味しさです。

比較②:フィジーとインドネシアのしょっぱい系おやつ

 続いては、フィジーとインドネシアのしょっぱい系おやつをご紹介します!

フィジーのしょっぱい系おやつ

 フィジーのしょっぱい系おやつも甘い系おやつと同じように、主食であるキャッサバを使った揚げキャッサバが人気です。

 揚げキャッサバにはフライ状のものとチップス状のものがあり、2〜5フィジードル(100〜250円程度)で購入できるほか、ホームステイ先でも定番の食べ物で日本人にも人気です。

画像:フライドキャッサバ)

 その他、インド系のしょっぱい系お菓子には、「ムルク」というネジねじとした形が特徴のスパイスの効いたお菓子があります。

(画像:ムルク)

 「ムルク」をはじめとするインド系のお菓子は、主にヒンドゥー教のお祭り「ディワーリー」の期間中などに食べられることが多く、ヒンドゥー教におけるお菓子の文化は親戚や友人との挨拶やコミュニケーションを潤滑にする役割を担っています。

 ちなみに、フィジー系のお菓子についてはコチラ、インド系のお菓子についてはコチラの記事にてレシピとともにより細かく紹介しているので、もっと知りたい!という方はぜひ参考にしてみてください。

インドネシアのしょっぱい系お菓子

 インドネシアのしょっぱい系のおやつといえば「インドミー」です!インドミーとは、Indo Food 社のインスタント麺のことで、ミー・ゴレン(インドネシアの焼きそば)を簡単に作って食べることができます。

画像:インドミー ミー・ゴレン味)

 袋の中は麺と味付け用の粉だけで具はありませんが、それだけでもスパイシーでとても美味しいです。パッケージの写真のように目玉焼きを乗せて食べるのもおすすめです。「え?おやつに麺?」と思われた方もいるかと思いますが、インドネシア人の友人の中には1度に2袋食べる人もいるほか、お腹がすいた時の口癖が「インドミ〜〜〜」になる人もいるほどの人気っぷりです笑。インドネシアでは「ミニマーケット」という日本でいうコンビニのようなお店やスーパーでも購入することができます。ちなみに、フィジーでもインドミーを売っているスーパーがあり、現地でも人気です。日本ではカルディーなどで売っています。

 インスタント麺の他には、フィジーと同じく揚げキャッサバが人気です。インドネシアではキャッサバは主食ではありませんが、おかずやお菓子として食べられることが多いです。ちなみに、インドネシア語ではキャッサバを「シンコン」といい、揚げキャッサバを「シンコン・ゴレン」と呼びます。また、フィジーと同じくインドネシアにもポテトチップス型のキャッサバチップスがあります。

画像:シンコン・ゴレン)

 インドネシアの村でホームステイ先のホストマザーが作ってくれたシンコン・ゴレンは絶品でした!

 また、「ウスス・アヤム・ゴレン」という鶏の腸をチップスにしたお菓子も現地の人に人気でした。

画像:ウスス・アヤム・ゴレン)

 「鶏の腸」と聞くとちょっとグロテスクですが、食感はクリスピーで味はもつ煮込みのような感じなので、おつまみには最適です!ミニマーケットやスーパーで購入することができます。

まとめ

 

 いかがでしたでしょうか?フィジーもインドネシアも甘いお菓子が多いのですが、どちらもキャッサバやバナナを使うものが多いという共通点がありました。特に、フィジーの「バカロロ」とインドネシアの「レメット・シンコン」は名前は違いますが、同じ食べ物であり、フィジーとインドネシアは実はよく似た食文化をもっているということがわかりましたね!

 このように、フィジーとインドネシアのおやつ文化を比較してみると、オセアニアとアジアという異なる地域の国であるにもかかわらず、似たような側面をもつことがわかりました。  フィジーもインドネシアも日本では食べられない魅力的なお菓子がたくさんある国ですので、是非1度足を運び、その味を確かめてみてください!

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