国民の4人に1人がやってる!?フィジーでラグビーが人気の理由とは?

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日本の国技といえば、相撲や柔道を思い浮かべる方が多くいるのではないでしょうか?
また、人気スポーツといえば野球やサッカーを思い浮かべるでしょう。
しかし、2019年の日本でのラグビーワールドカップの開催以降、日本ではラグビー熱が高まり、ラグビーに興味を持ち始めた人が多いのではないでしょうか。今後もラグビーは盛り上がり続け、サッカーや野球に匹敵するほどの人気が出るとも予想されています。

そんな日本で人気急上昇中のラグビーを国技としている国があります。
それがフィジーです!
フィジーは古くからラグビーが人気の国であり、国民の4人に1人がプレーしているとも言われています。

そこで今回の記事では、フィジーの国技であるラグビーとは何か、そしてフィジーにおけるラグビーの現状と人気の理由に迫っていきたいと思います。

フィジーの国技 ラグビーとは?

ラグビー

大きく分けてラグビーユニオン(15人制ラグビー)、ラグビーリーグ(13人制ラグビー)、セブンズ(7人制ラグビー)の三種類あります。ラグビーの種類によって、各チームの出場人数が違うだけでなく、ルールも大きく変わります。詳しいルールの違いは、他の記事で紹介していきます! ちなみに日本では、「ラグビー」と言えば15人制ラグビーのことを指します。

ラグビーとは......

イギリスを発祥とし、二つのチームがボールを奪い合いながら楕円形のボールを持って走ったり、蹴ったり、味方にパスをして相手チームのインゴールと呼ばれるエリアにボールを置くこと、またはキックでHポールの間を通して得点を競うスポーツです。

よく周りからはアメリカンフットボールと間違えられがちではありますが、ルールも大きく違い、完全に違うスポーツです。

フィジーではラグビーが全般的に人気ですが、セブンズ(7人制ラグビー)の方が盛んで代表チームは主要大会で大きな実績を残しています。セブンズの代表になれなかった選手が15人制ラグビーに挑戦するケースが多くあるそうです。

 

ラグビーグラウンド(2019年ラグビーワールドカップ 日本大会)

フィジーにおけるラグビーの競技人口・代表の戦績

競技人口

データ参照:ラグビー国際競技連盟ワールドラグビー「Year in Review 2019」

フィジーのラグビーの競技人口を日本と比較してみました。

昨年のラグビーW杯を機に日本においてラグビー熱が高まってきており、指導者などの関係者を含むラグビー競技人口はフィジーを上回っていますが、本格的にラグビーをプレーしている選手登録者数はフィジーに劣っています。

代表戦績

セブンズ(7人制ラグビー)

 

世界ランキング

1位(2020年8月現在)

 

夏季オリンピック

金メダル(2016年)※2016年から夏季オリンピック競技に採用

 

ワールドカップ
出場回数

7回

最高成績

優勝(1997年、2005年)

 

ワールドラグビー・セブンズシリーズ(世界ランキング上位国が約半年間世界各地を転戦しながら行われる国際大会)
出場回数
21回
最高成績
総合優勝(2005年−2006年、2014年ー2015年、2015年−2016年、2018年−2019年)

 

出場するすべての公式大会において過去に優勝をしたことがあるなど(世界でフィジーのみです)、国際大会で大きな実績を残しています。直近で行われたオリンピックでは他国を圧倒して金メダルを獲得し、世界最強国として知られています。今後もセブンズにおいてフィジー代表が大きな実績を残し、セブンズラグビー全体を盛り上げることが期待されています。

 

ラグビーユニオン(15人制ラグビー)
世界ランキング

11位(2020年8月現在)

 

ワールドラグビーパシフィック・ネーションズカップ(参加国:フィジー、日本、トンガ、サモア、アメリカ、カナダ
出場回数

14回

最高成績

優勝(2013年、2015〜2018年)

 

ワールドカップ 
出場回数
9回
最高成績
ベスト8(1987年、2007年)

 

日本で行われた2015年のワールドカップでは予選敗退(グループ3位)に終わったのですが、強豪オーストラリア代表を相手に前半終了時点でリードをしているなどあと一歩のところまで追い詰めました。気迫あふれるフィジー代表のプレーは多くの日本人からも注目を浴びました。また、オーストラリア代表の試合を前に披露した戦いの儀式「ジンビ」には、多くの反響がありました。

2015年ラグビーワールドカップ日本大会

 

セブンズに比べて成績こそは劣りますが、フィジー代表が過去に多くの公式戦で世界ランキング上位国を倒していることから各チームから恐れられており、着々と戦力が上がってきています。

フィジーではなぜラグビーが人気で強いのか?

92年ぶりにオリンピック種目となったセブンズ(七人制ラグビー)においてフィジーは決勝戦でイギリス代表を43−7と圧倒しました。人口がアメリカやヨーロッパの国と比べて少ないフィジーがなぜラグビー大国となったのかを紹介します。

フィジーのラグビーのはじまりと現在

ラグビーは、19世紀後半にフィジーを植民地支配していたイギリス人とラグビー強豪国であったニュージーランド人によってフィジーに伝来しました。他の南太平洋の島国同様フィジーではすぐに一番人気のスポーツとなりました。現在では、ほとんどの子どもたちがラグビー漬けの毎日を送っており、より高いレベルでプレーできるよう練習や試合に励んでいます。

なぜ強いのか

<恵まれた身体的特徴>

フィジー人は、生まれながらに屈強でエネルギーを蓄えやすい身体です。身体能力も高く、頑丈な人々が多いのが特徴であり、肉体的ぶつかりのあるスポーツが向いているとされています。そのため、ラグビーがフィジーの人々にとってぴったりのスポーツであり、もちろん各選手の努力もありますが、ラグビー強豪国へと成長しました。

 

<プレースタイルの確立>

恵まれた身体的特徴を生かしながらフィジーの選手は圧倒的なスピードと強さで流れるようなパス回しを展開し、コートが広いセブンズ(七人制ラグビー)の試合で他国を圧倒しています。自分たちの強みを生かしながら徹底したプレースタイルが確立できているからこそどの選手も自分の役割を理解し、望み通りの結果を手に入れることができています。

なぜ人気であるのか

<ラグビー=フィジー人としてのアイデンティティ>

フィジーに伝来して以降、ラグビーは多民族国家であるフィジーを結束させるスポーツであり、フィジー人としてのアイデンティティをラグビーをプレーすることで確立することができるとされてきました。また、ラグビーの試合は部族間同士の争いの代替としてぴったりとされており、ラグビーをプレーする人が多くいました。現在では、国のためにフィジーでラグビーを始め、海外でラグビーをプレーする選手もいます。ラグビー選手は共通してフィジーを強くするために日々ラグビーに取り組んでいます。

 

<子供の頃からラグビーに触れる>

子どもたちは小さい頃からラグビーが生活の一部となっています。テレビでは、ラグビーの試合が放送され、外に行けば、原っぱでみんなラグビーを遊んでいます。そのため、自然とラグビーに興味を持ち始め、他のスポーツと比べて費用があまりかかることのないラグビーに熱中していきます。多くの子どもたちにとって親もラグビーをしているケースが多いので、子どもが親からラグビーを学び、ラグビーを大人になってもプレーし続け、次の世代にラグビーを伝えるなどラグビーがフィジーにおいて衰退することはありません。

 

ラグビーの試合がある日は、リゾート等のスタッフもテレビに釘付けで仕事していないこともあるそうです。それほど、フィジーではラグビーが人気であると言えます!

戦いの舞「ジンビ」

フィジー代表はラグビーの試合前に「ジンビ」と呼ばれるウォークライを披露します。
※ウォークライ・・・試合前に相手チームを威嚇し、自チームを鼓舞するために行う儀式のこと。
先住民族が戦いの前に行っていた舞踊に由来している。

1939年のニュジーランドでの試合以降現在に至るまで常にフィジー代表は試合前に「ジンビ」を披露してきました。

「ジンビ」は、フィジー代表にとって気持ちを奮い立たせ、相手と戦う準備をする上でとても重要です。
対戦相手に対して披露することで恐怖を与えますが、しっかり対戦相手に対しては敬意を持った上で披露しています。

「ジンビ」の特徴

・フィジー代表の選手全員が身体を低くし、肩のあたりで先住民の伝統的な武器である「斧」を持って攻撃しているような動き

・陣形は広いが、動き自体は少なく、シンプルである

・他の国のウォークライと比べて時間が短い

・迫力があり、チームの一体感が強く感じられる

フィジー代表による闘いの儀式「ジンビ」🇫🇯#RWC2019 #AUSvFIJ #RWC札幌 pic.twitter.com/igaaoT2put

— ラグビーワールドカップ (@rugbyworldcupjp) September 21, 2019

ラグビーワールドカップ公式アカウントより

まとめ

フィジーではセブンズ(7人制ラグビー)に限らず、ラグビーがとても人気です! ラグビーをプレーする環境も整っており、多くの国民がラグビーの試合に熱中しています。今後もフィジーラグビーは多くの観客を魅了し続け、多くの国際大会で良成績を収め続けると期待されています。 今後のフィジーラグビーに注目してみてください!

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