フィジーのおやつってどんなの?〜食から見えるフィジーの多様性〜

フィジー基本情報
文化

 オセアニア地域に位置する南国フィジー。そんなフィジーのごはんといえば、ココナッツや魚介類を使った料理が多いのですが、フィジーのおやつにはどんな物があるのでしょうか?
 フィジーは歴史的にイギリスやインドからの文化の流入があり、フィジーの食文化を見ることで、その多様性を感じることができます。
 今回は意外と知らない、フィジーで食べられるおやつについてご紹介します!

フィジーのおやつ文化

 フィジーは1874年から1970年までの約100年の間、植民地としてイギリスに支配されていました。
また、植民地時代の1916年までの間、プランテーション労働者としてインドからの移住者が増え、現在ではインド系民族と呼ばれる人々が人口の約38%存在しています。このような歴史的背景もあり、フィジーのおやつ文化はイギリスやインドからの影響を強く受けています。  また、日本ではおやつの時間=午後3時というイメージが強いですが、フィジーでは朝と午後におやつの時間があります。

 では、実際にフィジーの人々はどのようなおやつを食べているのでしょうか?さっそく、みていきましょう!

もちもち食感「バカロロ」

 まずは、「バカロロ」と呼ばれるフィジーの伝統的なお菓子です。

(画像:http://www.simplyblissfulliving.net/2018/05/vakalolo-steamed-coconut-cassava-dessert.htm

 バカロロは、すりおろしたキャッサバ芋(タピオカの原料)とココナッツミルク、砂糖、水を混ぜて作った生地をバナナの葉っぱで包んで蒸し焼きにしたフィジーの蒸しケーキです。レシピによっては、キャッサバ芋とココナッツミルクを混ぜた生地を先に茹でてからココナッツミルクと砂糖を混ぜたソースをかけて葉っぱで包むという作り方もあります。また、カルダモンやシナモン、生姜などのスパイスで香り付けすることもあります。

 一般的なバカロロは上の写真のような形をしていますが、一口大に丸めたボール状のタイプもあります。

 ちなみにこちらは、ラウトカのマーケットで金曜日と土曜日のみに買えるバカロロです。こんなに入ってて、3フィジードル(約50円)で購入することができます。

 詳しいレシピはコチラの動画(英語)をご覧ください↓

(↑ 蒸すバージョン)

(↑ 茹でるバージョン)

 

 バカロロは、フィジーでは欠かせない伝統料理の1つで、結婚式や誕生日などお祝い事の際に出されることが多く、もちもちとしたその食感と甘い味は多くのフィジアンに愛されています。

バナナのぜんざい「ブンディ・バカソソ」

 次は「ブンディ・バカソソ」というフィジーの伝統的なデザートです。

(画像:https://gramho.com/media/1584731504265498341

 先ほどのバカロロと名前は似ていますが、名前に「ブンディ(フィジー語で調理用バナナ)」とつくように、バナナがメインのデザートです。

 動画があまりなかったので紹介はしませんが、作り方は簡単で、皮を剥いて切り込みを入れたバナナにココナッツファインを詰め、ココナッツミルクと砂糖、シナモンスティックを入れて弱火にかけるだけ!

 ちなみにバカソソはフィジー語で「何かを詰めたもの」という意味で、フィジーにはバナナ以外にも様々なバカソソが存在します。また、ココナッツとバナナはフィジーで1年中食べられる食材であり、フィジー語の慣用句にもよく登場します。

フィジアン・プディング「プリニ」

 続いてご紹介するのは「プリニ」というフィジーのプディングです。

(画像:http://www.simplyblissfulliving.net/2018/05/fijian-purini-fijian-pudding-cake.html) 

 プリニはココナッツミルク、ココナッツクリーム(生クリームのココナッツバージョン)、砂糖、小麦粉、ベーキングパウダーと重曹を加え混ぜた生地をプリンを作るときのように湯煎焼きにして作ります。 バニラエッセンスやシナモンで香り付けすることもあります。

 詳しいレシピはコチラの動画(英語)をご覧ください↓

 プリニもバカロロやバカソソと同じように、フィジーの伝統的なお菓子の1つで、オーブンがない時代にはキャラコと言われるインド原産の綿の布で生地を包んで蒸し焼きにしていたそう。また、プディングはもともとイギリスのお菓子で、植民地時代にレシピが伝えられ今のプリニの形になったという説も(諸説あり)。

 このように、今でも多くのフィジアンに愛されるプリニにはフィジー・イギリス・インドの3つの国の文化が入り混じっているのです。

はちみつたっぷり「ハニーケーキ」

 お次は甘〜い「ハニーケーキ」です。

(画像:https://www.food.com/recipe/fijian-honey-cake-457964

 ハニーケーキはその名の通り、蜂蜜を使ったフィジーのケーキです。作り方は、小麦粉、砂糖、蜂蜜、卵、サワークリーム、植物性油(なくてもOK)、ベーキングパウダー、重曹、香り付けにシナモンやナツメグ、生姜などのスパイスを混ぜた生地をパウンドケーキ型に流し込み、スライスアーモンドを散りばめてオーブンで焼くだけと、比較的簡単に作ることができます。

 詳しいレシピはコチラの動画(英語)をご覧ください↓

 動画にもあるように、スパイスを入れるのがフィジー流。また、このハニーケーキはフィジアンだけでなく、海外からフィジーへ訪れた人々にも好まれています。

フィジーの定番・激甘「カスタードパイ」

 続いて、「カスタードパイ」です。

(画像:https://kana-with-kassie.ueniweb.com/offerings/menu/fijian-custard-pie-21719121#service_detail

 カスタードクリームというと、牛乳や卵、小麦粉を混ぜ、作るのに少々手間がかかるイメージですが、フィジーでは粉状のカスタードを熱した牛乳に溶かすだけでできるため、フィジーでは手軽に味わうことができます。また、先ほどのプディング同様、パイも植民地時代にイギリスからフィジーに持ち込まれた食べ物の1つです。

 詳しいレシピはコチラの動画(英語)をご覧ください↓

 ちなみにこのカスタードパイですが、家庭で作る以外にも学校の売店などで購入することもでき、フィジーといえばカスタードパイというほど、メジャーなお菓子の1つですが、日本人には激甘です。

サクっと美味しい「キャッサバフライ/チップス」

 ここまで甘い系のお菓子を紹介してきましたが、フィジーにはしょっぱい系のスナック菓子もあります。そのうちの1つが「キャッサバフライ」。

(画像:https://www.sbs.com.au/food/recipes/cassava-chips-and-salsa-huancaina

 作り方はとても簡単で、塩を入れたお湯で茹でたキャッサバ芋に塩や香辛料で味をつけ、適当な大きさに切って揚げるだけ!

 詳しいレシピはコチラの動画(英語)をご覧ください↓

 ちなみに、タピオカの原料でもあるキャッサバ芋はフィジーでは主食の1つであり、普段の食卓でもおかずと一緒に食べられています。キャッサバは日本でいう白米のような食べ物なのです。また、画像のようなフライ状のもの以外にも、ポテトチップスのような薄切りのキャッサバチップスもあり、お店で2フィジードル(約100円)程度で販売されています。

多様な文化が入り混じるフィジー

 いかがでしたか?フィジーでは、植民地時代のイギリスによる影響を受け、英国文化を取り入れつつも、独自の伝統的な食文化を維持しています。  また、今回はあまり紹介できなかったのですが、フィジーに住むインドからの移民、いわゆるインド系民族はフィジー独自の文化とは異なる食文化を持っています。(これについては別記事で紹介しようと思います!)

 このように、フィジーでは昔からあるフィジー文化に加え、イギリス文化やインド文化など多様な文化が混在しています。  フィジーでこれらのお菓子を見つけた際には、今回紹介した内容を思い出しつつ、是非一度味わってみてください!

参考

Sweets & Snacks -That Fiji Taste
Ultimate Guide to Snacks in Fiji
Ultimate Guide to Fijian Desserts
The Complete Guide to Food in Fiji
Purini | Traditional Dessert from Fiji

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