南国フィジーの約60%を占めるフィジー系住民について調査してみた!

フィジー基本情報
文化

リゾート地として人気があり、多くの観光客が世界中から集まるフィジー!

フィジーは日本のような単民族国家ではなく、複数の民族が共存する多民族国家です。人口の九割以上がフィジー系(原住民)とインド系のフィジー人で構成されており、フィジーで生活する人々の中でも民族によって生活スタイルや特徴は異なっています。

現地に行く際に必ず接することとなるフィジー系とインド系の住民。観光地として有名なフィジーへ行くにあたり、現地にはどのような人が住んでいて、どういった言語や宗教を信仰して生活をしているのか気になりませんか。

そこで今回の記事では、そんなフィジーで最も多いとされているフィジー系の住民に焦点を当てて、フィジーに住む現地の人々の特徴や生活スタイルを紹介していきたいと思います。フィジーに行った際は積極的に交流して、フィジーの現地の人々と仲良くなりましょう!

フィジー系住民とは?

<歴史>

フィジーは、イギリスによる植民地時代に太平洋地域やインドから多くの人々がサトウキビ・プランテーションの契約労働者として移住しました。

フィジー系住民は、多くの移民がフィジーに住み着く以前から先住民としてフィジーに定住していた人々と彼らの子孫のことを指します。フィジー人(fijian)という呼び名がありますが、フィジー国民全員を表すのではなく、フィジー系住民のことを指します。

<人口構成>

フィジーの人口は約89万人(2017年、フィジー統計局)であり、57%が先住民であるフィジー系住民により構成されています。独立した時点では、フィジー系住民とインド系住民の人口比が拮抗していましたが、現在ではインド系住民の減少もあり、フィジー系住民の方が多い状況です。

フィジー系住民の言語

<憲法上の言語>

フィジーの憲法では、フィジー系住民が母語としているフィジー語、インド系住民が母語としているヒンディー語、そして教育言語としている英語の三つが主要の言語であると謳われています。

<家庭内と学校内での言語>

フィジー系住民間のコミュニティではフィジー語が使用され、家庭内で英語が主言語となることはありません。しかし、学校では教育言語として英語が採用されているため、国民のほとんどが英語を話すことができます。学校教育では、小学校三年生まではフィジー系住民は標準フィジー語で授業を受け、小学校4年生からは英語で授業を受けます。フィジー語は8年生まで必修科目の一つとなり、英語とフィジー語の両方を学校では学びます。

 

フィジー系住民は、家庭では基本的にはフィジー語を使用しますが、英語で教育を受けていることから無意識にフィジー語から言語が英語に切り替わってしまうことがあるそうです!

常にフィジー語を話すということでもなく、家族同士で英語を使うこともありますし、ホームステイしている学生が会話の輪に入るときはみんな英語で会話してくれます。

<廃れることのなかったフィジー語>

フィジー語は、イギリスによる植民地時代にキリスト教宣教師により文字化され、フィジー国内にフィジー語で教育を行っていたミッションスクールが設立され、フィジー語が伝承され続けたため、フィジー語が廃れることなくフィジー系住民の間のコミュニケーション言語として使用されています。

フィジー系住民が信仰する宗教とは?

<フィジー全体>

フィジーに住んでいる現地の人々の多くがキリスト教を信仰しています。

フィジーのほとんどがいずれかの宗教を信仰しており、2007年の調査では約7000人しか無信仰の人はいませんでした。宗教はフィジーの人々にとって生活の一部であり、重要視されています。

<信仰する宗教>

フィジー系住民のほとんどの人は、キリスト教(プロテスタント)を信仰し、その他の宗教を信仰する人は少数です。信仰する宗教に関する規律はきちんと守り、食前のお祈りと毎週日曜日の教会に通うことは欠かすことありません!一般の人でも教会には参加することは可能です。

<キリスト教伝来から普及まで>

1830年にフィジーにキリスト教が伝来し、当時のフィジー系住民はキリスト教に改宗することで西洋人がキリスト教の神に文明を付与してもらったのと同様に自分たちにも文明をもたらしてもらうことを期待しました。また、西洋文明の恩恵を受けるための手段として、多くの人々がキリスト教への改宗を決めました。そして、親と同様に子もキリスト教を信仰し、現在のほとんどのフィジー系住民のキリスト教信仰に至ります。

フィジー系住民の特徴

 

①フレンドリーで困ったときは積極的に助けてくれる

フィジー系住民は陽気であり、初対面でも積極的に話しかけてくれます。「ブラ!」(こんにちは)と声をかけ、「困っていることがあったらなんでも言ってね」とフレンドリーに接してくれます。 現地インターン生の話では、市場で食べ物を見ているだけで隣のフィジーの方がどの食べ物が市場の中で有名で美味しいかアドバイスをくれたそうです。日本では、知らない人に対して声をかけることに抵抗がある人も多く、なかなか見られない光景です。

②なんでもシェアが当たり前!何でも貸し合い、協力して生活

日本では、自分のものは自分のもので他人に対してモノを貸したり、料理をシェアする機会は少ないですが、フィジー系住民は自分のものを他人とシェアすることに何も抵抗はなく、食材、料理のシェアをはじめ日常品で使うものも全てシェアが当たり前です。この背景には、ケレケレ(日本語:分け合うこと、共有すること)というフィジー独特の文化があり、助け合い精神の強いフィジーでは「自分のものはみんなのもの、人のものも自分のもの」という感覚が根付いています。普段の生活で「ケレケレしよう」は当たり前であり、モノを貸しあうことでまた信頼関係も生まれ、大きな争いなく生活することができています。

③時間にゆったり!三十分遅刻は当たり前!

フィジー系住民は、時間に対して非常にルーズであり、約束の時間になっても現れないことがほとんどです。ギリギリになるまでのんびりして、約束の時間間際になって準備を始めて集合場所に向かいます。日本は、五分前行動という言葉がある通り時間に厳格な国ですが、フィジーは真逆で三十分の遅刻は許容範囲であり、六時間待っても集合場所に現れないケースもあるそうです。フィジー系住民は時間に縛られることのないフィジータイムという特有の価値観があり(詳しくはこちら)、自分のペースで生活をできています。フィジーでは、集合時間に現れないフィジー系住民のことに対して苛立つのではなく、時間軸を合わせてのんびり待ってあげましょう!

④仕事にものすごい熱心というわけではなく、マイペースに仕事をこなすのんびり屋さん

フィジー系住民の労働意欲が高くなく、真面目で勤勉な日本人とは真逆であると言えます。理由としては、一生懸命働かなくても十分に生活をすることができる環境が整っているからと言われています。フィジーは自然が豊かであり、生えているバナナやマンゴー、ココヤシをすぐ手に入れることができます。自然豊かな環境の中、周りと助け合いながら生活します。また、お金に対してもものすごいこだわりがあるということではなく、周りとの付き合いを優先してしまいます。自分のペースで仕事を淡々とこなし、仕事以外のことに全力を注ぎます! フィジー系住民に対してインド系住民が熱心に働くことからフィジーの経済はインド系住民の働きにより成り立つことができているとも言われています。 以上の4つが大まかなフィジー系住民の特徴です。 人それぞれ性格も違い、すべてのフィジー系住民に対して当てはまるとは言えませんが、フィジー系住民はいい意味でマイペースであり、ゆったりしています。また、とても明るく、困っている人に対して積極的に助けるなど初めての人でも気軽に接することができます!

最後に

過去には激しい民族間対立をすることもあったフィジー系とインド系住民。

しかし、現在は仕事場や学校において仲良く働き、学ぶ姿があります。民族によってそれぞれ信仰する宗教や特徴が違っていたとしても彼らの心は通じ合っており、皆フィジーが大好きでフィジーの生活をとても楽しんでいます!

フィジー系、インド系問わずフィジーの現地にいる人は皆いい人ばかりです。

フィジーに訪れた際は現地の人達と積極的に交流してフィジーの滞在を楽しんでください!

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