なぜインド系住民がフィジーに?フィジー人口の40%を占めるインド系住民

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<a href="https://www.southpacificfreebird.co.jp/column/fijians/">「南国フィジーの約60%を占めるフィジー系住民について調査してみた!」</a>の記事では、フィジーの原住民を祖先に持つフィジー系住民の言語、宗教、特徴について紹介しました。日本人とは全く違う生活スタイルで、フィジー系住民の特徴で驚くことも多かったと思います。

今回の記事では、フィジー系住民に次いで2番目に多いフィジーの人口の約40%を占めるインド系住民について紹介します。
インド料理屋や多くのインド系住民が信仰するヒンズー教の寺院が街中で圧倒的な存在感を示すなどフィジーを語る上においてインド系住民は欠かせないです。同じ国で住む民族同士ですが、フィジー系住民とはまた違った特徴や生活スタイルについて紹介していきたいと思います!

1. インド系住民とは?

<定義>

インド系住民とは、イギリス植民地時代にさとうきびのプランテーションの契約労働者としてフィジーに移住し、契約労働者としての役目を終えたあとも自国に戻らず、フィジーに留まったインド人および彼らの子孫のことを指します。

<インド系住民の人口>

フィジーの人口全体(約89万人(2017年、フィジー統計局))の、38%がインド系住民です。近年はインド系住民の海外への移住が進んでおり、人数は減少しています。

インド系住民は幅広い分野の仕事で一生懸命働き、優秀な人材としてフィジーで活躍しているため、インド系住民の減少がフィジーの経済に影響を与えてしまうのではないかと危惧されています。

 

フィジー系住民がフィジアンと呼ばれるのに対し、インド系住民はインディアンと呼ばれます!

 

なぜインド系住民がフィジーに?

「なんでインドから遠く離れた南国フィジーにインド人?」と思う方が多くいると思います。
インド系住民がなぜフィジーに来て、定着したのか紹介していきたいと思います!

<入植>

1. インド系住民とは

 でも述べた通り、フィジーを植民地として統治していたイギリスがさとうきびのプランテーションの労働者としてインド人をフィジーに入植させたことが現在のインド系住民の始まりです。1879年〜1916年の約40年の間に労働者として6万人以上のインド人がフィジーに入植しました。

のんびりで仕事に熱心に取り組まず、農業労働者として不向きなフィジー人の代わりとなる労働力としてインド人がフィジーに送られたという説もあります。

<定着>

「なんでインドから遠く離れた南国フィジーにインド人?」と思う方が多くいると思います。
インド系住民がなぜフィジーに来て、定着したのか紹介していきたいと思います!

<定着〜現在まで>

フィジーに残ったインド人労働者はフィジー人から土地を借りて農業を営み、また商業活動をしてフィジーの経済発展に大きく貢献しました。日本人同様労働意欲が高いインド人はフィジー系住民との人口比が拮抗するほど人口を増加させ、フィジーの経済基盤を握りました。

 

現在インド系住民の人口は減少しつつありますが、フィジー系住民と並んで二大民族グループを形成しています。フィジー系住民と共存しながら、フィジー経済を支えています。

インド系住民の宗教と言語

<宗教>

インド系住民は主にヒンズー教(約80%)またはイスラム教(約20%)を信仰しています。

家庭によって信仰度合いも違っており、それぞれの宗教の戒律を徹底する家庭もあれば、ゆるめな家庭もあります。(ムスリムの家庭であっても何度か聖書を読み、お祈りをするだけの家庭もあるそうです)

フィジーの留学中にホームステイする生徒がほとんどですが、宗教を強制されることはありません。また、イスラム教徒が年に一回行う断食の習慣(ラマダン)の時期にも留学生分の料理を欠かさずつくってくれます。

インド系住民(主にヒンズー教、イスラム教)とフィジー系住民(主にキリスト教)は信仰している宗教が違いますが、ラマダン明けにはフィジー系住民もインド系住民と同様にインド式の服を着てラマダン明けのお祝いをするなど大きな対立はありません。

<言語>

母語(フィジーヒンディー語)

インド系住民は、さとうきびプランテーションの労働者として移住して以降にインド人のフィジーでの現地語として年月を経て確立されたフィジーヒンディー語を母語としています。

フィジーヒンディー語は、ヒンディー語とインドの地方語にフィジー語と英語の語彙を取り入れた混成言語のことです。インドから労働者としてフィジーに移住した際にインドの様々な地方から来ている移民間の意思疎通のために各地方の言語が混じりながら成立したのがフィジーヒンディー語です。現在使用されているフィジーヒンディー語は、各地方の言語に加えてフィジー語と英語が取り入れられています。

インド系住民はヒンディー語も理解することができ(インドにいる人はフィジーヒンディー語を理解することができないそうです)、多くの人がフィジーヒンディー語、ヒンディー語、英語の三つの言語を話すことができます。

インド系住民の家庭、そしてコミュニティでは主にフィジーヒンディー語を使って会話をします。しかし、フィジー系住民の家庭同様にインド系住民の家庭においても英語を使って会話することもあり、ホームステイしている留学生がいる家庭は英語での会話がほとんどです。

教育言語 英語

フィジーでは、1926年に制定された言語政策(英語を教育言語とした政策)が現在に至るまで変更されることなく、フィジー系住民同様にインド系住民は小学校3年生までは母語であるヒンディー語で教育を受け、4年生から英語で教育を受けます。ヒンディー語に関しては、8年生になるまで継続的に必修科目として学びます。

4年生以降は、フィジー系住民とインド系住民が共に学ぶ小学校や中等学校において徹底的に英語で教育が行われるため、母語と同様に流暢に英語を話すことができるインド系住民がほとんどです。

インド系住民の特徴

 

1.フィジー系住民と真逆?労働意欲が高く、フィジー経済を支えている

フィジー系住民は労働者として入植して以降、現在に至るまでフィジーで一所懸命働き、フィジー経済を支えるほど存在感が大きくなりました。のんびりしているフィジー系住民とは真逆であり、都市部で働いている飲食店や衣類店の店員、タクシーやバスの運転手の多くがインド系住民であると言われています。そのため、インド系のレストランがほとんどでフィジー料理を食べられるところはほとんどありません。労働意欲はフィジー内の他民族に比べてものすごく高く、会社を2、3つ持ったり、大きな会社を経営しているなどフィジーでのビジネスに成功している人も多いそうです。

2.辛い食べ物が大好き?ほとんどがベジタリアン(約70%)のインド系住民の食生活

フィジーには多くのインド系住民が生活をしていることからインド料理屋が多くあります。味は美味しいですが、辛いカレーが多いようです。インド系住民だけでなくフィジー系住民も食べることからインドカレーは国民食のようになっています。インド系住民は基本的に牛と豚を食べず、カレーもヤギ、羊、鶏、魚が入ったものを食べます。 こちらは、フィジーでのインドカレーです。250~500円程度で食べることができます。

 
3.日本人と変わらない?インド系住民の娯楽

インド系住民は仕事と休息をしっかり区別しています。とあるインド系住民の家では、仕事がある平日は6時前に起きますが、休日は9時過ぎまで寝ているそうです。フィジー系住民がラグビーを好むのに対し、インド系住民はクリケットの他にサッカーなどのスポーツを好みます。家ではテレビ(インドドラマ)を視聴し、子どもは日本の子どもたち同様テレビとゲームを楽しんでいます。 インド系住民とフィジー系住民は、同じ点もあれば、全く違う特徴もあります。 インド系住民もフィジー系住民同様陽気な方が多いので話しやすく、日本人に対しても好意的です!

最後に

フィジーは、多くの民族や文化が共存する他民族・多文化国家です!

フィジーの民族によって異なる食文化や生活スタイルに触れることができ、日本では経験できない刺激を多く受けることができます。
また、違う民族同士の文化を理解し合い、助け合いながら生きている現地の人々だからこそ異文化理解には長けており、日本人を常にあたたかく迎え入れてくれ、おもてなしをしてくれます! 日本にとっては遠い国であったフィジーが直行便再開以降近く感じるようになりました!

語学留学や旅行などの様々な目的があると思いますが、フィジーに足を運んで現地のあたたかいおもてなしを感じてみてはいかがでしょうか。

 

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