救援者費用等補償特約
第 1 条(保険金を支払う場合)
FBIL は、被保険者が次のいずれかに該当したことにより、保険契約者、被保険者または被保険者の親族が負担した費用を、この特約および普通保険約款の規定に従い、救援者費用等保険金としてその費用の負担者に支払います。
- 被保険者が死亡した場合で、次のいずれかに該当したとき。
- 責任期間中に被った傷害を直接の原因として、傷害の原因となった事故の発生の日からその日を含めて 180 日以内に死亡した場合
- 疾病または妊娠、出産、早産もしくは流産を直接の原因として、責任期間中に死亡した場合
- 責任期間中に発病した疾病を直接の原因として、責任期間が終了した日からその日を含めて 30 日以内に死亡した場合。ただし、責任期間中に治療を開始し、かつ、その後も引き続き治療を受けていた場合に限ります。
- 責任期間中に被保険者が自殺行為を行った場合で、その行為の日からその日を含めて 180 日以内に死亡したとき。
- 被保険者が入院した場合で、次のいずれかに該当したとき。
- 責任期間中に被った傷害を直接の原因として、継続して 3 日以上入院(注 1)した場合
- 責任期間中に発病した疾病(注 2)を直接の原因として、継続して 3 日以上入院(注 1)した場合。ただし、責任期間中に治療を開始していた場合に限ります。
- 責任期間中に被保険者が搭乗している航空機もしくは船舶が行方不明になった場合もしくは遭難した場合または被保険者が山岳登はん(注 3)中に遭難した場合
- 責任期間中における急激かつ偶然な外来の事故によって被保険者の生死が確認できない場合または緊急な捜索・救助活動を要する状態となったことが警察等の公的機関により確認された場合
(注 1)他の病院または診療所に移転した場合には、移転のために要した期間は入院中とみなします。ただし、その移転について治療 のため医師が必要と認めた場合に限ります。
(注 2)妊娠、出産、早産または流産に起因する疾病および歯科疾病を含みません。
(注 3)ピッケル、アイゼン、ザイル、ハンマー等の登山用具を使用するものをいいます。
(2)(1)1または2の、発病の時期、発病の認定、治療を開始した時期等は、医師の診断によります。
(3)(1)3の山岳登はん(注)中の被保険者の遭難が明らかでない場合において、被保険者が下山予定期日の翌日午前 0 時以降 48 時間を経過しても下山しなかったときは、保険契約者または被保険者の親族もしくはこれらに代わる者が次に掲げるもののいずれかに対して、被保険者の捜索を依頼したことをもって、遭難が発生したものとみなします。
- 警察その他の公的機関
- サルベージ会社または航空会社
- 遭難救助隊
(注)ピッケル、アイゼン、ザイル、ハンマー等の登山用具を使用するものをいいます。
(4)(1)の規定にかかわらず、保険契約者等(注)が FBIL と提携する機関から次条1から6までに掲げる費用の請求を受けた場合において、保険契約者等(注)がその機関への救援者費用等保険金の支払を FBIL に求めたときは、FBIL は、保険契約者等(注)がその費用を(1)の費用として負担したものとみなして救援者費用等保険金をその機関に支払います。
(注)保険契約者、被保険者または被保険者の親族をいいます。
第 2 条(費用の範囲)
前条(1)の費用とは、次に掲げるものをいいます。
- 捜索救助費用
遭難した被保険者を捜索(注 1)する活動に要した費用のうち、これらの活動に従事した者からの請求に基づいて支払った費用をいいます。
- 航空運賃等交通費
救援者の現地までの船舶、航空機等の往復運賃をいい、救援者 3 名分を限度とします。ただし、前条(1)4の場合において、被保険者 の生死が判明した後または被保険者の緊急な捜索(注 1)もしくは救助活動が終了した後に現地に赴く救援者にかかる費用は除きます。
- 宿泊施設の客室料
現地および現地までの行程における救援者の宿泊施設の客室料をいい、救援者 3 名分を限度とし、かつ、救援者 1 名につき 14 日分を 限度とします。ただし、前条(1)4の場合において、被保険者の生死が判明した後または被保険者の緊急な捜索(注 1)もしくは救助活 動が終了した後に現地に赴く救援者にかかる費用は除きます。
- 移送費用
死亡した被保険者を現地から被保険者の住所に移送するために要した遺体輸送費用または治療を継続中の被保険者を現地から被保険 者の住所もしくはその住所の属する国の病院もしくは診療所へ移転するために要した移転費(注 2)をいいます。ただし、次に掲げる費 用はこの費用の額から除きます。
- 被保険者が払戻しを受けた帰国のための運賃または被保険者が負担することを予定していた帰国のための運賃
- 傷害治療費用補償特約第 1 条(保険金を支払う場合)(1)1もしくは3または疾病治療費用補償特約第 1 条(保険金を支払う場合)(2)1もしくは3により支払われるべき費用
- 遺体処理費用
死亡した被保険者の火葬費用、遺体防腐処理費用等の遺体の処理費用をいい、100 万円を限度とします。なお、花代、読経代および 式場費等の葬儀費用等遺体の処理とは直接関係がない費用は含みません。
- 諸雑費
救援者の渡航手続費(注 3)ならびに救援者または被保険者が現地において支出した交通費、被保険者の入院もしくは救援に必要な身の 回り品購入費および国際電話料等通信費等をいい、20 万円を限度とします。ただし、傷害治療費用補償特約第 2 条(1)2または疾病治 療費用補償特約第 2 条(2)2により支払われるべき費用については除きます。
(注 1)捜索、救助または移送をいいます。
(注 2)治療のため医師または職業看護師が付添うことを要する場合には、その費用を含みます。ただし、貸し切り航空便による運送を含 む不定期航空運送のチャーター料金は、治療上の必要により定期航空運送による移送が困難であると医師が認めた場合に限り費用の範囲に含めます。
(注 3)旅券印紙代、査証料、予防接種料等をいいます。
第 3 条(FBIL の責任限度額)
FBIL がこの保険契約に基づいて支払うべき救援者費用等保険金の額は保険期間を通じ、救援者費用等保険金額をもって限度とします。
第 4 条(保険金の請求)
(1)この特約にかかる保険金の FBIL に対する保険金請求権は、保険契約者、被保険者または被保険者の親族が費用を負担した時から発生し、これを行使することができるものとします。
(2)この特約にかかる保険金の請求書類(注 1)は、保険金請求書、および次に掲げる書類とします。
- 保険事故発生を証明する書類
- 救援者費用等保険金の支払を受けようとする第 2 条(費用の範囲)1から6までに掲げる費用のそれぞれについて、その費用の支出明細書およびその支出を証明する書類または FBIL と提携する機関からのその費用の請求書
- 救援者費用等保険金の請求の委任を証する書類および委任を受けた者の署名証明書(注 2)
- その他 FBILが普通保険約款第 17条(保険金の支払時期)1に定める必要な事項の確認を行うために欠くことのできない書類または証拠として保険契約締結の際に FBIL が交付する書面等において定めたもの
(注 1)第 1 条(保険金を支払う場合)(4)の規定により保険契約者、被保険者または被保険者の親族が FBIL と提携する機関への救援者費用等保険金の支払を FBIL に求める場合の書類を含みます。
(注 2)救援者費用等保険金の請求を第三者に委任する場合とします。
第 5 条(代位)
(1)第 1 条(保険金を支払う場合)(1)1から4までの費用が生じたことにより保険契約者、被保険者または被保険者の親族が損害賠償請求権その他の債権(注)を取得した場合において、FBIL がその費用に対して救援者費用等保険金を支払ったときは、その債権は FBIL に移転します。ただし、移転するのは、次の額を限度とします。
- FBIL が費用の全額を救援者費用等保険金として支払った場合
保険契約者、被保険者または被保険者の親族が取得した債権の全額
- 1以外の場合
保険契約者、被保険者または被保険者の親族が取得した債権の額から、救援者費用等保険金が支払われていない費用の額を差し引いた額
(注)共同不法行為等の場合における連帯債務者相互間の求償権を含みます。
(2)(1)2の場合において、FBIL に移転せずに保険契約者、被保険者または被保険者の親族が引き続き有する債権は、FBIL に移転した債権よりも優先して弁済されるものとします。
(3)保険契約者、被保険者および救援者費用等保険金を受け取るべき者は、FBIL が取得する(1)または(2)の債権の保全および行使ならびにそのためにFBIL が必要とする証拠および書類の入手に協力しなければなりません。このために必要な費用は、FBIL の負担とします。